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中国七星購物、テレビ・ショッピング銘柄の注目度上昇中
▽中国七星購物(245/HK)の直近チャート
終値 0.87香港ドル
唯一のテレビ・ショッピング銘柄、中国七星購物(チャイナ・セブンスター:245/HK)が市場の注目を集めている。昨年9月に裏口上場(経営難の上場不動産会社を買い取り、自己の事業資産を注入)した後、資金調達を重ねるごとに株価が急騰を続けているためだ。2月末から3月初めにかけて発生した世界株安の局面では大きく売られたものの、3月中旬からは再び上昇基調が鮮明化し始めた。急成長する中国テレビ・ショッピング業界にあって、同社は市場シェアが2位という実力。取り扱う品目も、従来型の商品(健康食品など)から高付加価値の商品群(携帯端末や生命保険など)に広がりつつある。裏口上場の性格上、過去の財務データ(買収した企業の業績)がほとんど参考資料にならないことなどがリスク要因だが、小型株としては珍しく、外資大手ブローカーのメリルリンチが新規にカバーし、投資判断を「買い」としたことが安心材料となろう。
チャイナ・セブンスターが注目を集めているのは、06年9月に藍頓国際を買収した後、ファイナンスを繰り返すたびに株価が動意づいたためだ(06年9月に0.188香港ドル/株、07年2月には0.68香港ドル/株で増資)。前述したように、買い安心感を誘っている理由としては、メリルリンチがカバー銘柄に組み入れていることが挙げられるが(メリルは3月14日、E2キャピタルは2月14日にカバレッジ開始)、UBSやInvescoなど著名な機関投資家が大株主に名を連ねていることも信頼度を高める要因。同社は今や、「外人好み」の銘柄となりつつあるのだ。
メリルリンチはリポートの中で複数のリスク要因を指摘しているが、それでも強気の投資判断を付与したのは、(1)業界全体の成長性、(2)同社が占めるポジションの優位性、(3)新ビジネス・モデルに対する期待――を高く評価したためだ。以下、同レポートを参考に、現状と展望をまとめてみる。
テレビ・ショッピング中国2位の同社は、国内市場のシェアが約9%。業界の歴史は浅く、実質的には2000年から始まったばかりのため、市場全体の規模も05年実績で150億人民元にとどまる。これは小売市場全体の0.1%を占めるにすぎず、米国の7.7%、韓国の2.8%を大きく下回っている。
それだけに、ここからの成長余力は相当に大きいと考えることができるのだ。ユーロモニターの調査によると、中国のテレビ・ショッピング市場は02−07年の5年間で、年平均の成長率が23%に達するという。
もっとも、同業界は現在、やせ薬や豊胸薬など“いかがわしい”と指摘されがちな商品がメイン。「悪質商売」「誇大広告」といった悪評も決して少なくなかった。しかし、同社が携帯端末販売という正攻法の商品を取り扱ったことによって、業界に対するポジティブな見方が増え始めつつあるのだ。
今年の1月から開始した携帯端末の販売は、市場の反響が予想外に大きかった。多数のメーカーが乱立し、多機能化したモデルが陳列棚いっぱいに並ぶ携帯端末の市場では、消費者が「通」や「マニア」でない限り、必要な機能が何なのかを自分でも把握しきれない状態。こうした中、消費者に直接訴えかけたことがヒットの理由といえよう。その良い例は、最初のヒット商品となった待機能力電池(62日間)装備の携帯端末だ。その利点を分かりやすく語りかけたことが、潜在需要を掘り起こしたと考えられている。
現在の端末販売は一日2000台を超えるため、同社は今年の目標を100万台に設定した。これが達成されれば、それだけでメリルの売上予想を上回ることになる。
また、商品の投入時期が早かったことも他の小売業者に比べて有利な点だ。中間業者を通さず、直接メーカーから仕入れるため、家電量販店の国美や蘇寧に比べて販売が約1カ月半は早い。もちろん、直接仕入れるために儲けも大きく、携帯端末販売の粗利益率は50%に達するという(メリル予想)。
健康関連グッズなど特定の層をターゲットにした商品ではなく、携帯端末などの一般商品を取り上げて特性を強調する(=潜在需要を掘り起こす)というビジネス・モデルは、他の商品でも応用が利くはず――。同社は近く、中国人寿保険と共同で生保商品の販売を開始する(3月中のスタートを見込む)。韓国のテレビ・ショッピングで生保販売が成功した例を見る限り、同社が取り扱う商品も人気化する可能性が高い。
携帯端末や生保の取り扱いは、単に売上や利益の伸びに貢献するだけではなく、話題性と相まって、同社のネームバリューを一段と高めることとなろう。
もっとも、同市場で確固たる地位を築き上げつつある同社にも、メリルが指摘するようにリスク要因がいくつか存在する。
例えば、冒頭でも触れたように、(裏口上場という経緯のため)財務諸表など過去データを比較資料に用いることができない点も難点だ。
また、放送事業といった当局の関与が厳しい業界であることにも注意を要する。表現の自由が制限される上、監督官庁が多岐にわたることも懸念材料。目先の例では、保険監督管理委員会が不適当と判断すれば、それだけで生保販売事業がストップしてしまう可能性もあるのだ。
したがって、同社株の投資にあたっては、こうしたリスクが表面化することを念頭に入れておく必要がある。その動向次第では、株価が乱高下する局面も十分に起こり得よう。
しかし、メリルや他のブローカーが描く強気シナリオの通りに事業が進ちょくすれば、唯一のテレビ・ショッピング銘柄としての希少価値が見直される中、大幅なプレミアムがついた水準で取引される可能性もある。
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