株式相場の動向
 
 
4月以降は上昇一服か、政策相場の一巡後に再度調整
 


 
 香港マーケットの中期トレンドは、3月初旬から4月初旬にかけて強含んだ後、4月中旬から5月にかけて再び上値が重い展開に変わるとみられます。中国本土の政策期待で短期的には買い先行の展開が予想されるとはいえ、これが一巡するあたりで、米国など外部環境の不透明感が再びクローズアップされはじめる可能性が高いからです。ただ、本土経済の回復期待が薄らぐわけではないため、底割れの懸念もそれほど大きくないと考えます。基本的にはボックス圏の値動きが続く見通し。ハンセン指数で11000〜16000ポイント、H株指数で6000〜9000ポイントが目安となりましょう。以下、これまでの流れを振り返りつつ夏場までの中期動向を占ってみます。
 
 
 
 
 
 

 香港マーケットは昨年10月に底値をつけた後、今年1〜2月にかけて徐々に下値を切り上げる展開が続きました。もちろん、一本調子の上昇ではありません。海外市場(特に米株)が急落する場面では、香港も連れ安を強いられる流れ。ただ、海外の主要マーケット(日米やインド、ロシアなど)の主要株価指数が相次いで昨年の安値を割り込むような惨状と比べれば、相対的に底堅さが目立ったと言えましょう。
 
 その背景には、中国政府による景気テコ入れの動きがあります。まず、昨年11月には公共インフラ投資の拡大を柱とした4兆人民元の総合景気対策を発表、次いで今年1月から2月にかけては、10大基幹産業の振興計画を相次いで明らかにしています。09年度GDP成長目標の8%を達成させるため、矢継ぎ早に景気対策を打ち出す状態です。

 こうした景気テコ入れラッシュに対しては、一部で財源を懸念する見方もありますが、他の主要国と比べた場合はまだ余力があるといえます。国債発行残高がGDPに占める比率をみれば、09年末までに日本が130%、米国が60%に上昇すると予想される一方、中国は20%を超える程度にとどまるといわれているからです。
足元の中国株マーケットが堅調に推移しているのは、まさにこうした動きを好感した結果といえましょう。
 

 
 実際、中国の実態経済はひところに比べて回復の兆しが表れています。それを象徴するのは、景気の先行指標といわれる製造業購買担当者指数(PMI)の改善――。1月のPMIは45.3に上昇し(昨年12月の41.2を大幅に上回る)、2カ月連続で前月比プラスを達成しました。これにより、景況判断の分かれ目になる50が視野に入った格好です。

 同月のPMIを項目別に検証してみても、全体として景況感が上向いていることは明らか。雇用指数が前月比で低下し、在庫指数が横ばいだった以外、他の項目(生産指数、新規受注指数、購買量指数、輸入指数、購買価格指数)が軒並み前月を上回ったのです。これを受けて国務院発展研究センターの張立群氏は、「中国経済が大底から徐々に回復してきていることを示すもの」と判断。ほとんどの項目が改善した点を強調し、「在庫調整がほぼ終わった」と分析しました。

 
 
 
 

 もっとも、中国本土の景気回復やテコ入れ策に絡む材料は、全国人民代表大会(全人代)が開催される3月で一旦出尽くす可能性があります。◆海外マーケットに逆行高する形で相場の上昇が続いた場合、新規材料に欠く中での息切れが予想されること、◆年初に打ち出された10大基幹産業の振興計画は、実際の効果が表れるのが早くても夏場以降になる(=短期的に効果が確認されず、しばらく話題性が薄らぐ)と考えられること――などがその要因です。

 そのタイミングで海外景気の悪化が再びクローズアップされるようなことになれば、中国株マーケットもしばらくは上値の重い展開を強いられるかもしれません。
中でも、4月以降の米国動向には要注意。 オバマ大統領の就任から100日が過ぎ、いわゆる「蜜月期間」が終わって、マスコミや社会が結果を求め始める時期に入るためです。大統領の努力にもかかわらず、残念ながら4月から5月にかけて目に見えるような成果が表れる可能性は低いといわざるを得ません。米景気の回復が早くても来年以降といわれているだけに、この時期は悪いニュースの方が目立つのではないでしょうか。

 ただ、4〜5月に予想される調整局面は、逆に言えば良い買い場とみることができます。中国経済が政府目標の8%成長を達成するとの前提に立てば、夏場以降は再び景気回復の効果がクローズアップされはじめるはずだからです。
 
 

 その場合に優先的な投資対象となるのは、やはり景気対策のメリットが期待できるセクターです。たとえば、公共投資の拡大を材料に(鉄道をはじめとする)インフラ建設関連。消費刺激の絡みでは、通信、通信機器、インターネットなども魅力的です。また、農村テコ入れの効果を見越して農業関連の銘柄にも動きがみられるかもしれません。

 いずれにせよ、押し目買いのポイントとして内需拡大、政策支援がメリットとなることは間違いなさそうです。