日刊中国株メルマガ
 招財 2009年7月10
日(金) 第797


<目次>
1.市況コラム「一本勝負」
  反落、手がかり材料難で売られる
2.銘柄ピックアップ
 BYD:エコカーの成長期待で株価堅調
3.現地ホット情報
 1)不動産市場の支援策は短期内不変=中国海外発展
 2)東風汽車がハイブリッド部門強化、生産能力1万台超に
4.早耳★市場の噂
5.マーケットカレンダー 

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 招財社長の 一本勝負 
(画:岸みきお)
反落、手がかり材料難で売られる
 
 様子見気分で買い手控え――。10日の香港マーケットは、内外の景気動向をにらみながら、売り買いが交錯する展開です。中盤まではプラス圏で推移したものの、結局、ハンセン指数は前日比82.17ポイント(0.46%)安の17708.42ポイント、H株指数は66.77ポイント(0.63%)安の10574.42ポイントと反落しました。

 今朝の弊社ニュースでお伝えしたように、外部環境はひとまず落ち着いています。昨夜の米株市場は、米景気に対する過度の警戒感が後退する中で上昇。◆アルミ大手アルコアの決算内容が市場予想を上回ったこと、◆先週の失業保険申請者件数が今年1月以来の低水準にとどまったこと――などを追い風に、ダウ平均は0.06%高の8183ドルと小幅ながら続伸して引けました。

 ただ、上値を追う動きは限定的。世界各地の景気動向に対し、依然として不透明が漂うためです。こうしたなか、本日は海外の主要マーケットも総じて冴えない値動が続きます。円高が逆風となる東京市場は、小幅ながら8日続落で取引を終了(日経平均は0.04%安の9287円)。先ほど始まった欧州市場も、全般に売りに押される展開です(日本時間18:30現在、英FT指数は0.3%安、独DAX指数は0.1%安、NYダウ先物の時間外取引は0.2%安で推移)。

 内部環境は好悪材料が入り混じる状況。昨日の本欄でも触れましたが、6月の新規貸出額が予想を上回る1兆5300億人民元に膨らんだことに関しては、「融資の伸びを背景に内需拡大が続く」とポジティブにとらえる向きがある一方、不動産を中心に融資規制が強化されるとの懸念を生じさせる結果にもなっています。短期的な引き締めに対する警戒感もあり、この日は本土市場も反落しました(上海総合指数は0.29%安の3113ポイントで終了)。

 ただ、仮に引き締めが実施されたとしても、そのマイナス影響は限定的との見方が有力です。たとえば、政府系デベロッパー大手の中国海外発展(チャイナ・オーバーシーズランド:688/HK)も同様の見解。「昨年後半から各種の不動産テコ入れを実施してきた政府が、急に引き締め方針に転換することはあり得ない」と強調しています(後掲「現地ホット情報――不動産市場の支援策は短期内不変=中国海外発展」参照)。規制は資産バブルの発生が懸念される地域に限定されるうえ、それほど厳しい内容にはならない――というのが業者側の認識です。

 したがって、不動産セクターを含めて、優良株がさらに売られるようであれば、むしろ値ごろ感が強まると考えています。販売の急回復が伝えられる自動車セクターも、その意味では押し目に興味がそそられるところです。このところ急伸していた東風汽車集団(489/HK)などは、本日2.7%安と反落したものの、ハイブリッド車の拡充という新規材料も出ています(後掲「現地ホット情報――東風汽車がハイブリッド部門強化、生産能力1万台超に」参照)。

 ハイブリッド車のメーカーといえば、国内で先頭を走っている比亜迪(BYD:1211/HK)も堅調な値動きが続きます。本日の特集記事「銘柄ピックアップ」では、小型車メーカーとしての地位を確立しつつある充電池大手のBYDを取り上げます。是非ご一読ください。
 


 
◆銘柄ピックアップ◆
 

BYD:エコカーの成長期待で株価堅調
 
 
▽比亜迪実業(BYD:1211/HK)の直近チャート
終値 32.30香港ドル 09年予想PER 36.50倍
 
 
 
 
(出所:香港経済日報ETネット)
 

 
 比亜迪実業(BYD:1211/HK)は将来、中国のトヨタ、ホンダになり得る――。ハイブリッド車、電気自動車の開発に乗り出したBYDは、新エネルギーのブームを背景に春先から株価の急伸が続いた。昨秋には米著名投資家のウォーレン・バフェットが出資を決断するなど、同社の名前が世界的に有名になりつつあることも追い風だ。予想PERで36倍の水準まで買われたため、このところは過熱感を理由にレーティングを引き下げる動きもみられるが、BNPパリバは逆に、「将来は世界自動車メーカーの強豪に加わる」と強気の見方を示している。以下、同ブローカーのリポートを基に、ポジティブな要因を改めてクローズアップしてみる。
 
 
▽上海モーターショー
 
 
 
 
(亜州IR撮影)

 
 
 
●株価が高止まり
 
 6月後半から7月前半にかけて全体相場が調整色を強めているにもかかわらず、BYDの株価は依然として高い水準で推移している。太陽光や風力など、クリーン・エネルギー関連の銘柄が年初来の高値から2割前後の下げを記録する一方、BYDの調整は1割程度にとどまるのだ。
 
 

*米ADR上場のサンテックパワーは7/8終値で計算。

 
 その背景には、自動車セクターに属する同社のポジティブな収益環境がある。業界全体の販売が伸びていることは、中国汽車自動車協会の最新統計によっても明らかだが(今年上半期の自動車販売台数が前年同期比17.7%増の609万台に達し、半期ベースで世界トップに躍進)、同社は上半期の乗用車販売が前年同期比176%増の17万7000台に膨らむなど突出して高い伸び。省エネ意識が高まる中、同社の小型車が一気に注目度を集めた格好だ。

 また、前述したバフェット氏の出資意向も株価を支える大きな要因となっている。同社が昨年9月、H株2億2500万株(約10%)をバフェット氏の傘下ファンドに割当てる方針を決定。当局による正式な認可は下りていないものの、バフェット氏の出資意欲に揺るぎはない。氏の中核ファンド運用会社、バークシャー・ハザウェイの株主総会で、BYDが開発したハイブリッドカー「F3DM」を自ら運転して見せるほどの入れ込みぶりだ。現在の株価水準について、少なからぬ証券ブローカーが過熱感を指摘しているにもかかわらず、同社の株価が高止っているのは、バフェット効果の安心感によるところが大きいといえよう。
 
 
 

 
●米社との提携観測も
 
 もちろん、投資家がバフェット氏に期待するのは単なるパフォーマンスだけではない。バフェット氏の口利きで、米国市場への本格進出が実現するとの見方があるのだ。たとえば、「経営再建の途上にあるフォードやGMに対し、BYDが自社生産の充電池を大量供給する」という観測。苦境の米大手各社が独力で優れたエコ・カーを開発するのが困難であるならば、他地域の合弁パートナーを選ばざるを得ず、その筆頭候補がBYDというわけだ。現在の高い株価は、「大型提携の発表によって株価が一段高を目指す」という期待に裏付けられたものかもしれない。

 また、BYDが自らエコ・カーを米市場に売り込むとの見方もある。バフェットの投資原則である「長期保有」を考慮すれば、短期的な充電池納入の材料だけではなく、長期的な完成車の販売を見据えたものとみるべきだからだ。バフェットが本気で、BYDが「中国のトヨタやホンダ」になると信じている可能性も否定できない。
BNPパリバが先月30日に出したリポートは、まさに長期の大化けを見越した内容。◆米市場のエコカー市場が着実な発展を遂げること、◆BYDの生産能力とシェアが急成長を続けること――などを前提に、強気の目標株価を設定した。
 
 
 

 
 
 現時点では依然として不確定な要因が多いものの、BYDは確かに夢のある銘柄。株価はすでに高い水準にあるとはいえ、BNPパリバのようにさらなる上昇余地を予想するブローカーもみられる。「夢を買う」という覚悟ならば、現在の株価水準で買い付けるのもあながち間違いとは言えないのかもしれない。
 
 
 
 

 
【会社概要】

 自動車に進出した電池メーカー中国最大手。PC向けリチウム電池、ニッケル電池の生産ほか、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)の組み立てを手がける。03年からは、比亜迪汽車を通じて小型車生産に参入。ハイブリッド・燃料電池車、電気自動車も開発している。08年12月にはプラグインタイプの新型デュアルモード車「F3DM」を国内発売。2011年の米国投入を目指す。米著名投資家バフェット氏が出資へ。08年9月、同氏傘下のミッドアメリカン・エナジー社に1株8.00香港ドルでH株2億2500万株(登録資本の10.98%、発行済みH株総数の39.61%)を割当てる方針を決定した。ただ、09年6月末時点で未実現。当局の許可が下りていないため、期限を9月26日に延長する。09年5月には、フォルクス・ワーゲン(VW)と業務提携した。ハイブリット自動車、リチウムイオン電池式・自動車の開発で協力する。通年目標は繰り上げ達成へ。09年6月、今年1−6月の新車販売が前年通年の17万台を超えたため、通年目標である40万台の繰り上げ達成は充分に可能との見通しを示した。
 
 

 
【現地ホット情報】
 

 
 
 

★不動産市場の支援策は短期内不変
=中国海外発展
 

 
 
政府系デベロッパー大手の中国海外発展(688HK)は9日、中国政府が不動産市場をテコ入れしていることについて、支援のスタンスが短期で一変することはないとの見解を示した。このところ、一部の地域で住宅ローン規制強化の動きが出てきたことを受けたもの。

 政府は昨年後半以降、金融緩和をはじめとする各種の不動産刺激策を実施。その効果により、今年に入りデベロッパー各社の販売が急回復した。中国海外発展の場合、1〜6月期の販売額(契約ベース)が前年同期比66.1%増の262億6700万人民元に拡大し、半年だけで通年目標(280億人民元)の94%を達成した。

 ただ、市況は急ピッチな回復に対する警戒感を受けて、最近は不動産融資の規制を強化する動きがみられる。杭州市や北京市などでは、「セカンドハウス向け住宅ローンの基準が厳格化する」と報じられた。

 ただ、中国海外発展は規制強化の動きを特にネガティブ材料視していない。あくまでも一部都市の急ピッチな価格上昇を抑えるためとの前提に立ち、「不動産市場の健全な発展に向けた妥当な策」とポジティブに評価しているのだ。政策スタンスについても、支援の方向が引き締めの方向に急変することはないとの見方。「中央政府にせよ、地方政府にせよ、国民の住宅取得を支援し続けることに変わりはない」と強調した。
 

 
★東風汽車がハイブリッド部門強化、
生産能力1万台超に
 

 
 
東風汽車(489/HK)はこのほど、ハイブリッドカーの生産能力が1万台を超えたことを明らかにした。香港経済日報の取材に答えたもので、生産の主力は公共車両(バスなど)向けという。国家発展改革委員会から公共車両向けハイブリッドカーの販売認可を初めて取得した企業だけに、特に同車種に注力したい考え。ハイブリッドカー市場の競争が激化するなか、乗用車を中心に生産しているBYD(1211/HK)や第一汽車集団、上海汽車集団、長安汽車などとは一線を画す格好だ。公共車両の生産には、政府からの補助金支給額が高いなどのメリットがある。

 生産台数は需要動向を見極めながら決定し、販売価格は50万元超に設定する方針だ。
 
 
 

早耳★市場の噂

 

現地メディアが報じた未確認情報や耳より情報をご紹介!

 

◆BYDがバスメーカー買収を検討、投資額は20億元超

 

 充電電池、自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が現在、広東美的集団傘下のバスメーカー、湖南省三湘客車集団公司の買収を検討している模様だ。投資額は20億人民元を上回る見通し。瀟湘晨報が9日、長沙市経済委員会の情報として伝えた。


 BYDは近年、戦略重点を電池生産から新エネルギー自動車の開発に転換中。バス生産基地を確保した上で、クリーン・エネルギーを動力とする環境配慮型バスの開発に参入する考えという。


 三湘客車は約8カ月、生産を停止中。BYD株は10日、前日比0.92%安の32.30香港ドルで取引を終了した。

◆金山軟件の大株主、8250万株を売却か

 

 金山軟件(キング・ソフト:3888/HK)に出資する機関投資家の一角が近く、保有株のうち8250万株を売却する模様だ。複数の香港メディアが9日、市場筋情報として伝えた。譲渡分は発行済み株式総数の7.6%に相当する。譲渡価格は9日終値を8.13−13.04%下回る5.2−5.5香港ドル。総額は4億2900万−4億5400万香港ドルに上るという。


 同社株は10日、前日比7.02%安の5.56香港ドルで取引を終了した。

※情報の正確性に関しては、責任を負いかねます。


【マーケットカレンダー】

 

※配当の取り扱いは証券会社によって異なります。
また予定は変更になる場合があります。


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