太陽光関連が動意付く、
ソーラー各社に複数の刺激材料
27日の香港マーケットで、太陽光発電に関連する銘柄が軒並み急伸した。個別では、ポリシリコン大手の保利協シン能源 (GCLポリー・エナジー:3800/HK)が前日比2.81%高の2.56香港ドル、シリコンインゴット大手の陽光能源 (ソーラーギガ・エナジー:757/HK)が2.33%高の0.88香港ドル、ビル一体型ソーラー発電装置(BIPV)施工大手の中国興業太陽能技術 (750/HK)が3.38%高の3.67香港ドルで終了。年初からの上昇率も、それぞれ18%高、13%高、23%高に達し、全体相場のパフォーマンス(ハンセン指数は11%の上昇)を大幅に上回っている。以下、同セクターに浮上した複数のポジティブ材料をまとめてみる。
まず、長らく下落基調が続いたポリシリコンの市況に底打ち感が強まったこと。ブルームバーグ集計のスポット価格は、昨年12月中旬に安値をつけた後、今年1月第3週までほぼ一本調子で上昇し、1ヵ月間の値上がり率が約9%に達した(下図)。その背景には、世界的な需給改善の期待がある。米国や日本のメディアは今月第2週、同発電用ポリシリコンの市況に関し「これまで続いた調整を脱し、今年は需要増を受けて上昇に転じる」と報じている。
また、政策支援に絡む新規の刺激材料もある。香港・星島日報などによると、中国商務部は現在、太陽熱を利用する温水器などに対し、購入補助金を出す方向で検討中。いわゆる家電下郷 (農村部の家電普及を促進するため、指定機種を購入する農村居住者に13%の補助金を出す制度)、「以旧換新(都市部の家電買い換えを推進するため、指定機種を購入する都市居住者に10%の補助金を出す制度)の対象品目として、新たに同温水器を組み込むというのだ。
もっとも、「太陽熱を利用する温水器」とは、従来型の単純なソーラー温水器を指す可能性がある。この場合は太陽光発電用のポリシリコンとは直接関係がない。いずれにせよ、マーケットが「太陽光」というワードに反応しやすいことは事実。それだけ、同セクターに対する関心が高まっているということだ。
▽ビル一体型ソーラー発電装置
(興業太陽能技術提供)
さらに、同セクターは政府が注力する省エネ・エコの政策にも合致している。同産業に従事する業者全般に、各種の支援策が導入される可能性が高いため、単に温水器の購入補助だけが材料でないことは言うまでもない。
証券ブローカー各社の評価は必ずしも強気一色というわけではないが、折に触れてマーケットの話題に上るのはほぼ確実。それを見越し、以下、前出3社の事業概要、業績推移、最新レーティング動向などを紹介しておく。
▽保利協シン能源 (GCLポリー・エナジー:3800/HK)の日足1年チャート
27日終値 2.56香港ドル 11年予想PER 6.08倍

(出所:香港経済日報ETネット)
【会社概要】
太陽光発電用ポリシリコンの中国最大手。江蘇、浙江省を拠点にポリシリコンとシリコンウエハを生産する。生産能力はそれぞれ2万1000トン、3.5ギガワット相当(10年)。政府系ファンドが資本参加。09年、中国投資公司から2割の出資を取り付けた。川下進出へ。11年10月、子会社の太陽能電力系統集成(太倉)公司を新設した上で、大陽光発電モジュール生産に進出すると発表した。同年11月には、広東核電グループと共同で、山西省大同に太陽光発電所を建設する計画を発表。認可を待って着工に入り、1ギガワットの発電能力を目指す方針を明らかにした。
▽陽光能源 (ソーラーギガ・エナジー:757/HK)の日足1年チャート
27日終値 0.88香港ドル 11年予想PER 10.12倍

(出所:香港経済日報ETネット)
【会社概要】
太陽光発電用のシリコン・ウエハ大手。年産能力は太陽光発電向けシリコンのインゴットが800MW、ウエハが600MW、太陽光発電モジュールが100MWに上る(11年6月末)。ポリシリコン生産で新規合弁。10年11月、遼寧奧克化学公司と共同で新会社を設立することで合意した。登録資本金は2億人民元。陽光能源は37%を出資する。新規M&A。11年2月、太陽光電池メーカーの華光投資公司を総額8億香港ドルで買収し、川下事業にも進出した。増産計画。11年4月、シリコンインゴットの年産能力を12年末までに800→1600MW、ウエハを600→1300MWに引き上げる計画を打ち出した。
▽中国興業太陽能技術 (750/HK)の日足1年チャート
27日終値 3.67香港ドル 11年予想PER 5.26倍

(出所:香港経済日報ETネット)
【会社概要】
ビル一体型ソーラー設備(BIPV)取り付け工事の最大手。広東省珠海を拠点とする。カーテンウォールの設置業者として発足した後、カーテンウォール工法(ビル建築などで、取り外し可能な壁を設置・装着していく方法)のノウハウを活かして07年からBIPV(ビル一体型ソーラー設備)事業に進出。建築物の外壁をすべて太陽光発電の装置で覆うという省エネ事業モデルが評価され、急速に売り上げを伸ばしつつある。鉄道駅舎をはじめ、公共建造物の工事に強みを発揮。中国中鉄(390/HK)や中国鉄建(1186/HK)と戦略提携し、駅舎の建設時に従来型カーテンウォールとBIPVの取り付け工事を請け負っている。