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マイちゃんのテーマ別ポートフォリオ
業態大転換:(2)チャイナ・ウィンド・パワー(旧香港薬業)
亜州IRリポーターの佐々木マイです。このコーナーでは、日刊ゲンダイ株式欄(火曜日)に連載中の「佐々木マイ、株りつきCHINA!」で取り上げた内容をご紹介しています。07年の企画は「テーマ別ポートフォリオ」です。市場で話題のテーマを月ごとに決め、1銘柄ずつを組み入れていきます。
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▽チャイナ・ウィンド・パワー(182/HK)の直近チャート
終値 0.96香港ドル 実績PER 35.96倍
漢方薬販売から風力発電にダイナミックな商売替え――。利益率の高い成長分野に軸足をシフトさせるため、香港薬業(182/HK)は風力発電事業者のウィンド・パワーを買収し、近く招集される株主総会で社名をチャイナ・ウィンド・パワーに変更する予定です。新規事業のモデルは、中国各地(主として同発電に適する内陸部)で関連設備の建設・工事を請け負うだけでなく、完成した風力発電基地に出資して運営にも参画するというもの。自らオペレーターとなることにより、長期的な収益基盤を確保します。
各国の発電量のうち、風力の占める割合が最も大きいのはドイツ(27%)。これにスペイン(16%)、米国(15%)などと続きますが、中国はわずか3%にとどまる程度です(下表1)。それだけに国内市場の潜在成長性は高く、風力発電量の全国合計は06年の2604MWから07年は4904MW、08年には7404MWに急拡大するとみられます(下表)。
中国政府も同事業を奨励するスタンス。現在主流の火力発電は、石炭や石油などの化石燃料に頼らざるを得ないという不安定さがあるうえ(市況の変動リスクが大)、環境保護の見地からも多くの問題をはらんでいるからです。
同社の場合、業態転換がスムーズに行われるのか、予想される資金調達はどうなっているのか――など不透明な要素が存在するのも事実ですが、エネルギー+環境の2大テーマが重なる魅力は捨てがたいものがあります。
業界大手のウィンド・パワー
新規事業の母体となるウィンド・パワーは、風力発電業界でトップクラスに位置づけられる規模です。現時点で受注を取り付けた8案件は、発電能力の合計が4000MW(メガワット)に達するなど、同業他社を大きく引き離しています。
受注獲得の強みは、他社に比べて納期が短いこと。風力発電基地の建設は、7−9カ月の期間を要するもが一般的ですが、同社の場合、6カ月程度で全プロセスを終えてしまうのです。
これにより、発注元は単に稼動時期を速めることができるだけでなく、タイミングが良ければ1年前倒しで事業の収益を計上できることとなります。というのは、風力発電基地の立地が内蒙古など内陸部に集中しているため、厳寒の冬季は工事が困難なうえ上、風が吹く季節にも偏りがあって1年の半分程度しか発電できない状況が珍しくないからです。計画を立てて発注した後、6カ月以内に工事が完了してくれるならば、収益面で決定的な違いが生じることになるかもしれません。
上表に示した現在進行中のプロジェクトをご覧下さい。50MWの発電基地(※)80カ所を年間10件前後のペースで順次完成させていく計画です(一部は昨年に着工。遼寧省Chang
Tuのみ稼動)。全体が完成するのは2011年ごろとみられますが、来年あたりから収益の寄与が鮮明化しはじめると思われます。
なお、発電設備建設の純利益率は10−12%に見積もられているものの、今後業務が急拡大すれば利益率がさらに向上する可能性もあります。
(※)50MWのサイズであれば地方政府の認可のみで建設が可能。審査期間が短いため、発注側に選択されやすい
同社は発電設備建設のほか、発電基地の運営にも参画することは前述した通り。もちろん、同事業が収益の長期安定化に繋がると考えているためです。
いわゆるターンキー・プロジェクト(スイッチを入れるだけで収益を生むような案件)とされる風力発電事業は、火力発電と異なり、一度完成すれば原料コストがかかりません(メンテナンス費用のみ)。高速道路事業と同様に、安定した現金収入が見込まれるおいしいビジネスなのです。
さらに、政策支援も受けられます。クリーンな風力発電を普及させるため、中国政府は同電力を0.31−0.38元/kWhで買い取ることを保証。それだけではなく、国の「再生エネルギーファンド」を通じ0.24−0.25元/kWhの収益補填を行うというのです。さらには、排出権売買による収益を見込まれるため、BNPパリバやUOBケイヒャンは、50MW発電基地を全額出資で建設した場合の投資利回りは13%、半分を融資等で補った場合は27%に達すると試算しているくらいです。
リスク
将来性が期待される同社に関し、あえてリスク要因を挙げるとすれば、増資による希薄化の懸念といったところでしょうか。事業の拡大を進める上ではファイナンスが避けて通れないと思われるので、借り入れ以外に新株の発行を伴う資金調達も考慮しておくべきでしょう。その動向が不透明なので、ブローカー各社もEPSやPERの予想に苦戦しているようです。
下表のBNPパリバ予想も、将来のカバレッジを前提にして書かれた簡易紹介リポートにあるものなので、あくまで現時点のラフな分析と思われます。
各社の詳細リポートが出揃ったところで、買い安心が強まってくるのではないでしょうか。
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