マイちゃんのテーマ別ポートフォリオ
医療関連 :(5)金衛医療科技
亜州IRリポーターの佐々木マイです。このコーナーでは、日刊ゲンダイ株式欄(火曜日)に連載中の「佐々木マイ、株りつきCHINA!」で取り上げた内容をご紹介しています。07年の企画は「テーマ別ポートフォリオ」です。市場で話題のテーマを月ごとに決め、1銘柄ずつを組み入れていきます。
…………………………………………………………………………………………………………
▽金衛医療科技(ゴールデン・メディテック:
8180/HK)の直近チャート
終値 3.750香港ドル 実績PER 8.42倍
変り種の医療機器メーカーは、臍(さい)帯血バンク事業への進出で長期成長を目指す――。今回ご紹介する金衛医療科技(ゴールデン・メディテック)は、自己血回収装置(手術中に出血した血液を回収、分離、洗浄し、体内に返血する機器)の製造・販売を主力とします(06年3月期の売上比率は関連収入と合わせて88%)。日本ではあまり一般的ではありませんが、中国では慢性的に輸血用血液が不足していることに加え、HIVや肝炎などの輸血感染が多いため、大病院を中心にニーズが高まりつつあるのです。
加えて、数年前に始めた臍帯血バンク事業も期待材料。売上比率は12%にとどまりますが、長期的には収益の柱に変貌する可能性があります。北京でスタートしたのに続き、先ごろは広東省でも業務ライセンスを取得。今後も段階的に、営業エリアを拡大していく方針です。
業績も堅調。06年9月中間期は18%増収、53%減益ながら、利益の伸び悩みは特殊要因によるもの(前年同期は関連会社の持分売却で1億1657万香港ドルの特別利益が発生していました)。実質的には15%の増益となります。第1-3四半期(06年4−12月期)は20増収、11%減益で推移。07年3月期(本決算)は減益が予想されていますが、08年以降に再び大幅増益の基調を取り戻すというのがコンセンサスです。
各事業の詳細
同社が手がける業務はいずれも珍しいビジネスなので、ここで改めて事業の詳細をご説明します。
まず、主力の自己血回収装置部門は、患者の血液を集めて自らに輸血するための機器を生産するものですが、同機器の仕組み(使用の流れ)がやや複雑です。初めに、出血した本人の血液を回収し、筋繊維や骨片などをろ過します。次に、凝固防止剤を添加しながら同血液を特殊なパックに収納。最後に、再び薬品を除去した上で体内に還流させます。
同種の機器は米国でも生産されていますが、同社の製品は価格面で圧倒的に優位です。1台あたりの価格は約20万人民元(約300万円)。これは、米国製の約半分にとどまります。
なお、回収した血液を保存しておく特殊なパックは消耗品です。1袋あたり780人民元(約1200円)に価格を設定したのも、米国製の半値水準を意識しています。
自己血回収装置
臍帯血バンク事業の方は、日本でもある程度知られていると思います。新生児のへその緒から臍帯血を採取し、将来、難病に罹患したときに備えてマイナス196度で保存するというビジネスです(中国では同社のほか、1社にこの事業ライセンスが与えられています)。
臍帯血の冷凍保存
少しややこしくなりますが、臍帯血は造血幹細胞(HSC)の移植や遺伝子治療に用いられています。HSCは血液、骨髄、免疫システムに分化・成長するため、白血病の治療などに使われるとのことです。
中国の新生児数は毎年、2000万人を下りませんので、臍帯血の有用性が認識されれば、市場は急速に拡大していくかもしれません。
なお、同社が設定する価格は、初期の契約料が約5000人民元(7万5000円)、毎年の保管料が580人民元(約9000円)です。
甘源 主席
編集・発行 亜州IR株式会社 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-3-6共同ビル623
電話03-5643-1667 FAX 03-5643-0692 ウェブサイト WWW.ASHUIR.COM
☆版権所有 無断転送・転載を禁じます。
本紙掲載記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い致します。記載された意見や予測等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることがあります。
【題号の由来】題号の「招財」は、中華圏で蓄財、繁栄をもたらすとして使われている縁起文字「招財進宝」から取ったものです。この文字はメルマガ冒頭にも使われています。
|